当社の代表コンサルタントがコンサルティング活動を通じて感じたことや自身の考えなどを月替わりでコラムにしました。
お読みいただいた方々にとって、自社の人事制度改革、改善をリードする上でのヒントになればと考えております。
パートタイマーの退職金の計算方法。

「労務行政研究所」の調査によると、パートタイマーの退職金制度がある企業の割合は全体の1割ほどにすぎません。

パートタイマーを正社員の補充的労働力とみる限り、この割合は当然で、退職金まで用意して厚遇すべき対象とはみなさないというのがまだまだ世間の一般的な考え方のようです。

ただ、パートタイマーを補充的労働力ではなく、代替的な位置付けとして考える企業であれば、事情はかなり異なってきます。

これらの企業では退職金制度の存在が人材の確保や定着化、働く動機付けの要因となることが十分考えられるからです。

ここでは、パートタイマーの退職金の決め方などについて、一例を挙げてみたいと思います。

まず、退職金には、主に「功労報奨」と「退職後の生計費充当」の二つの役割がありますが、

 

パートタイマーの退職金を考える場合は、功労報奨的な役割に絞って考えればよいでしょう。

ここで議論となるのが、パートタイマーの功労を何で評価するのか?ということです。

これについては、パートタイマーの功労とは、勤続した年数と1ヵ月における勤務日数、さらに労働時間の長さ(プラス勤務成績の良否)と考えるのが妥当です。

これらの要素のうち、勤続した年数以外の要素がすでに織り込まれているものが、1ヵ月の給与額となります。

給与額は、次の計算式で求められるからです。

・1ヵ月の給与額=時給×1日の所定労働時間×月の所定労働日数

これに勤続した期間に応じた勤続係数を乗じたものを退職金額とします。

・退職金額=1ヵ月の給与額(過去の平均値など)×勤続係数
*勤務成績の良否は、時給体系の中ですでに考慮されていると考えます。

上記の例は、退職金を給与額にリンクする考え方ですが、

 

これらの例以外に、給与額を離れて定額を設けて、それに勤続要素を掛けて算出する方法などもあります。

例えば、
1万円〜2万円(労働日数、労働時間、等級などで区分を予め分けておく)×勤続係数。
*これに在職時の勤務成績に応じて、別途、一定の加算を行います。

パートタイマーの退職金の決め方について考えるとき、このような考え方に沿えば、概ね、自社成りのしくみが出来るといえるのではないでしょうか。

ちなみに、以前、税金対策のために年内の所得金額を税法上の限度額内にとどめ、残額は退職時に退職金として支払うことができるか?というご質問を受けたことがありました。

これについては、賃金の支払いは、法令で「全額、毎月、一定期日払い」となっていて、当然ながら、月に支払うべき給与の一部を退職時に支払う措置はとるべきではありません。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 18:47 | - | - | -
目標面接ではプロセスを最重視する。

目標面接制度における面談の回数を会社に尋ねてみると、たいていは、年に1〜2回程度といった答えが返ってくるものです。

目標面接制度の目的を「目標に対する評価結果を処遇に反映させるため」ととらえている限り、妥当な回数ともいえますが、

ただ、このような考え方では、目標シートの準備から自己評価〜上司評価〜面談までの一連の流れは、上司にとっても部下にとっても大変な時間と労力がかかるものなので、

上(会社)から言われているので仕方なくやっているといった感はやはりぬぐえないものです。

このような会社では、多くは面談自体が形骸化しており、せいぜい、年に1〜2回、会社への不満や要望、部下自身の今後の希望などについて上司は聞かされるだけで終わりといったケースが少なくありません。

また、会社の業績が良くないときは賞与や昇給の原資がないので、面談をしても意味がないなどといった理由で面談を行わない会社がありますが、これは目標面接の本来の目的自体を忘れてしまっている例といえるでしょう。

さらに、部下の目標に対する自己申告に基づいて年に1〜2回、面談をしているといっても、

「それではこの内容(目標)で頑張ってください。」、「わかりました。」

の10分程度の形だけの面談だけでは上司としてはとうてい指導をしたという内に入りません。

上司の「頑張れ」だけでは、上司は仕事をしたことにはならないのです。

部下が目標を立てても、結果としてできなかった理由は、たいていは、

やり方がわからないか、やるための知識・技能が足らないか、もともと目標に対して意欲がないかであって、

上司がするべきことは、部下に対してどうすれば目標が達成できるかを現状とのギャップを踏まえ、一緒に考え、一定期間について支援をすることであるはずです。

そのためには、年に1〜2回程度の面談だけでは到底足らず、最低でも月に1回程度は目標達成に向けてのプロセス(やり方や手段など)についても部下と一緒に考え、指導を行い、都度、方向付けしていくことが必要となってきます。

そして肝心なのは、どんな小さな目標であっても必ず、部下に最後まで取り組ませることです。

どんな小さな目標であっても、1人1人が必ず取り組めば、もしその会社に100人の従業員がいたとすれば、その「和」として、果たしてどれだけの成果が生まれるでしょうか。

それを5年、10年と続けたとしたなら、10年後には会社はどれだけ良くなっているでしょうか。

面談が終わってから、目標シートは半年間も机の中にしまってしまい、半年後の面談時には以前に何を書いていたか忘れてしまっていたなんて笑えない話を日頃からよく耳にすることがありますが、

せっかく面談をしたのに、その後ほったらかしでは全く意味がないのです。

目標面接制度は目標に対する達成度を評価するツールではなく、あくまでも目標を達成していくためのコミュニケーションツールにすぎないものです。

プロセスを最重視して部下に最後まで取り組ませるよう、上司が根気よく指導していくことが求められます。

目標に向けて行動のプロセスを改善していくことが会社を良くしていくための第一歩となります。

地道な取り組みですが、そうすれば10年後、きっと会社は大きく変わっているはずです。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 20:11 | - | - | -
社長の思いと社員の思いが合致する。

人事制度は、会社の思い(経営理念やビジョンなど)を実現するために、社長の思いと社員の思いを合致させるためのツールです。

これを人事制度の一つである「賞与制度」でみていきましょう。

賞与制度の検討テーマといえば、


a.賞与の総原資をどのように決めるか?
b.その総原資を社員にどのように公正に配分するか?
の2つの側面が重要となりますが、

例えば、a.の賞与の総原資を決める計算方法について、次のように決めて、社員に予め周知したとします。

◎賞与の総原資=粗利×労働分配率(仮に50%)−既支払月例給与分

仮に、ある期の予算が粗利5億円とすると、

●粗利予算を100%達成した場合の賞与の総原資は、

5億円×労働分配率(50%)−既支払月例給与分(仮に2億円)=5千万円(給与の4ヵ月分)

●粗利予算に対して105%達成した場合の賞与の総原資は、

5.25億円×労働分配率(50%)−既支払月例給与分(2億円)=6千250万円(給与の5ヵ月分)

●粗利予算に対して95%の場合の賞与の総原資は、

4.75億円×労働分配率(50%)−既支払月例給与分(2億円)=3千750万円(給与の3ヵ月分)

上記の例であれば、粗利予算に対して105%の場合と、95%の場合では、賞与の総原資は給与の2ヵ月分もの差が生まれることとなります。

すると、社員たちは自分たちの賞与について、どのように考えるようになるでしょうか?

 

おそらく、次のように考えるのではないでしょうか。

・会社の粗利が増えれば、自分たちの賞与も増えるんだ・・
・今期は予算が達成できそうだが、もう少し頑張ればさらに賞与額も増えるので、あと一踏ん張り頑張ろう・・
・今期は会社の粗利が大幅に減ったので、賞与は少し我慢しないといけないかな・・

一方、日頃から社長は賞与の支給に対しては、どのように考えていたでしょうか?

・社員には、売上よりも粗利を増やすことに最優先に取り組んでほしいのだが・・
・粗利さえ増えれば、もっとたくさんの賞与を出してあげられるのだが・・
・今期は粗利が大幅に減ったので、賞与は少し我慢してもらわないといけないが納得してもらえるだろうか・・

どうやら、粗利を増やしていくべきことや賞与額への納得性(業績連動)については社長の思いと社員の思いがようやく合致したようです。

このように、人事制度を通じて社長の思いと社員の思いが合致すれば、企業力が大幅に向上していくことは明白といえるでしょう。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 20:27 | - | - | -
人事諸制度見直しの方向性について。

弊社が得意とするコンサルティング分野といえば、人事諸制度の構築と運用支援ですが、

 

クライアント様が抱える多くの課題を踏まえ、弊社にてコンサルティングを進めていくにあたり、制度見直しの共通点や改善の方向性などがあります。

次にいくつかの代表例などを挙げてみましたが、貴社ではこのような見直しは進んでいるでしょうか。

1.等級制度
・一般社員は職能等級制度、管理職は役割等級制度とします。

・昇格制度のしくみを見直し、等級制度が年功的な運用にならないようにします。

2.賃金制度
・会社への貢献度に見合ったもので、誰もが分かりやすいシンプルなものとします。

・職種毎に望ましい賃金カーブが描かれ、昇給分として重点的に配分したいところ(等級、年代など)へ配分ができるようにします。

・年齢給や勤続給など、自動昇給部分のあり方を見直します。

・基本給は等級と人事評価の結果により昇(降)給しますが、等級ごとにレンジ(下限額〜上限額)を設けるため、あくまでもそのレンジ内で基本給が決まる仕組みとします(上限額を超えることはない)。

・管理職は役割等級となるため、賃金表による積み上げ方式ではなく、洗い替え方式により毎年リセットする仕組みとします。

・家族手当や住宅手当など、生活関連手当のあり方を見直します。

3.賞与制度

・会社業績との連動型をベースとするため、前年の支給実績については都度リセットし、年度毎の利益配分として会社の業績、チーム業績、個人評価などの組み合わせによって配分する仕組みとします。

・年功的な基本給リンク方式(基本給×○○ヶ月)を廃止し、会社への貢献度がより反映できるポイント制方式などへ移行します。

4.退職金制度
・在職時の貢献度(在職時の等級、人事評価の結果)が退職金の計算に明確に反映されるようにします。

・年功的な基本給リンク方式(退職時基本給×勤続年数別乗率)を廃止して、在職期間中の毎年の会社への貢献度がそのまま反映されるポイント制方式などへ移行します。

 

・確定拠出型制度への移行を含め、将来にわたる安定的な退職金制度に向けた再構築を行います。

5.人事評価制度
・給与や処遇を決めるためのものでなく、会社の業績向上や個人の成長につながる仕組みとします。

・目標面接はルーチン目標でなく、チャレンジ目標が主体のものに変えていくことで、仕事のやりがいや働きがいにつながるようにします。

・個人への評価フィードバックを重視し、そのための運用体制を整え、評価者教育などを継続的に実施していきます。

会社としての力は十分にあるのに、人の問題ばかりに悩まされている会社をみると、何ともやりきれなくなるものです。

人事諸制度が血の通ったものとなり、その仕組みが会社の発展やそこで一生懸命働く人たちの幸福につながっていくことが我々にとっての働くモチベーションです。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 16:03 | - | - | -
昇格基準の見直しと降格基準の設定。

従業員が40〜50人位の規模になってくると、等級制度に基づく職務分担や役割分担という考え方が必要となってきます。

そもそも等級制度は、その等級に求められる職務(能力)や役割(=会社が求める期待像)を果たせるよう、従業員を育成していくためのものですが、

その運用の要となるのが、昇格(等級が上がること)と降格(等級が下がること)のしくみです。

ただ、実際には昇格の基準は定められていても、降格の基準は定められておらず、一度昇格するとその後はほとんど降格することがないといったケースもよく見受けられます。

昇格や降格のしくみは、従業員の能力習得に対する意欲への刺激になるのと同時に、組織全体に対する悪影響を排除することができるなどのメリットがありますが、

特に、降格については、決して懲戒的な意味合いを持つものではなく、会社が求める期待像と個人の能力や職務にギャップが生じていることに対する一時的な調整であることを従業員には予め伝えておく必要があるでしょう。

よく問題となるのは、今まで実質的には降格することがないため、管理職クラスになってから能力の発揮が低い場合にそれがいつまでも放置されてしまうケースがあることですが、

当然、管理職クラスの等級に昇格した後に、その等級の職務や役割が十分に果たせない場合には、予め決めておいた降格のしくみを弾力的に適用することが必要となります。

以前であれば、能力の発揮ができるまでは長い目でみようという考え方で臨むこともありましたが、

 

今の時代、適切なマネジメントが行われていない状態を長く放置しておくことは会社にとって致命的であり、やはり運用面でのスピードが要求されますし、

さらに、そもそも管理職クラスの等級に昇格させる際の昇格基準(しくみ)の設定を誤らないということも必要となってくるでしょう。

「成果を挙げる社員は優秀であり、管理職になっても力を発揮するはずである」という考え方は必ずしもあてはまるわけではなく、

「成果」と「能力」にはかなりのギャップがあり、一般社員としての成果と管理職として求められる能力には大きな違いがあることを会社は認識しなければなりません。

これらを従業員ごとに明らかにしていくためには、賞与の人事考課で高く評価されるべき項目(成果)と昇格などで高く反映される評価項目(能力)を別管理していくことが必要となってきます。

ちなみに、一度昇格させたがその後に育成を十分に行ったにもかかわらず、降格させざるを得ない場合の降格後の処遇としては、次の3通りの方法が考えられます。

・降格しても基本給は下げない
・等級別に減給する金額を決めておく
・降格前等級(現等級)の初号賃金まで減給する

このうち最も納得性の高いルールは、降格前等級の初号賃金まで減給するというものです。

その等級の職務(役割)が遂行できないと判断されるので、その等級の下限額まで減給するのが筋といった考え方です。

ただ、現等級への滞留年数が長ければ長いほど減給幅が大きくなってしまうため、別途、調整期間の設定や減給の限度額を設ける必要があるでしょう。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 20:03 | - | - | -
資格等級制度を構築する際の留意点。

人事制度のベースとなる仕組みが「資格等級制度」です。

資格等級制度を構築する場合は、次の点などに留意しながら、そのフレームワークを組み立てていくことになります。

 

1.等級数をどれ位にするか?
2.それぞれの等級定義(基準)をどのように記述、表現するか?
3.等級と役職の関係性をどのように決めておくか?など

まず、1.の等級数についてですが、おおむね、次の等級数くらいが最適といえるのではないでしょうか。


50人規模・・・5〜6等級
100人規模・・・6〜8等級
200人規模・・・7〜9等級

要は、等級ごとの定義(基準)を分かりやすくするために、等級数をあまり増やさないことです。

次に、2.の等級定義(基準)をどのように記述、表現するかですが、

 

以前はよくその会社の全社員に協力をお願いし、仕事調べなどを行って、職種・等級ごとに仕事や能力のレベルについて「職務等級基準書」という形で記述し、まとめたものですが、最近ではこのような作業はあまり行わなくなりました。

このような作業に多くの時間と労力を割くのであれば、例えば、目標面接制度のほうを充実させて、等級ごとに個々の目標などをしっかりと立てさせていくことのほうが、より人材の育成や業績の向上などにつながると考えるからです。

 

これならば、等級定義(基準)自体は、あくまでも、目安として大まかに記述しておくだけで済みます。

最後に、3.の等級と役職との関係ですがこれは下限セットといって、原則は等級が先、役職があとという関係性になります。

例えば、5級職以上の人が課長になることができると決められている(下限セットされている)ような場合には、その人は先に5級職に昇格をしないと課長にはなれません。

たまたま役職(ポスト)が空けば、5級職以上の能力のある者の中から適任者(課長)を選ぶという考え方です。

これによれば、4級職以下の人が課長になることはありえませんが、逆に6級職や7級職の人が課長になることはありえます。

しかしながら、この下限セットについての厳格な運用は、中小企業などではうまく機能しないことがあります。

中小企業では常に人材不足であり、役職のほうが等級よりも優先することがよくあるからです。

もちろん、この場合、柔軟な運用を行うことが必要で、例えば、4級職以下の人でも抜擢して課長にする必要が出てきますが、会社としてはその後のその人へのフォローをしっかりとしていかなければなりません。

すなわち、能力自体はまだ4級職の人に、本来は5級職以上が行うべき課長の仕事にチャレンジをさせるわけですから、当然、失敗はつきものであり、

具体的には、その人に対して、(課長の仕事ができるよう)強力な支援指導や人事評価における配慮(チャレンジして失敗してもマイナス評価はつけないなど)を行うことはもちろんのこと、

あくまでも、4級職の人が課長になることは例外的な扱いとして位置づけた上で、会社としてはしっかりと育成をしながら、遅くとも2年程度以内には正規の昇格(4級から5級へ)をさせていく必要があるといえるでしょう。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 18:11 | - | - | -
業績賞与制度へ移行する際の留意点。

会社が業績連動型賞与制度へ移行するメリットとして、大きくは人件費の変動化の実現、従業員の業績向上意欲の醸成の二つが挙げられますが、

逆に、従業員が感じるデメリットとしては、会社の業績によっては今後は賞与が大きく変動する(賞与がゼロになることもありうる)ことなどへの不安といったところでしょうか。

このような不安を払拭するためにも、まずは制度の導入目的をはっきりとさせるとともに、

「皆で稼いで皆で分ける」、「業績の良い時は今までよりも多く出すが、業績の悪い時は皆で我慢してもらう」という会社の考え方を予め、従業員へ明確に伝えておくことが必要となります。

とはいえ、賞与原資の決め方について、いくら明確な経営指標に基づいたところで、「今期は業績が悪いので賞与はゼロ」といった極端な話になるのでは、従業員からの納得性は得られません。

賞与の意味合いとしては、会社業績分の配分以外に、生活保障の側面についても一部、持ち合わせているからです。

特に、今まで賞与を業績にかかわりなく安定的に支給してきた会社が業績連動型賞与制度へ移行する場合などは、一定期間の激変緩和措置などについても十分に施す必要があります。

これをしないと、不利益変更の問題や会社業績が悪い中でも頑張っている人たちのモチベーションに影響してしまいます。

ところで、賞与総額を決める指標としては、例えば、売上額や粗利額(付加価値)に対してその原資を求める場合は、賞与原資が前年額と比べて大きく変動することは少ないようですが、

多くの会社では、このような売上額や粗利額(付加価値)ではなく、指標としては営業利益額や経常利益額などを使い、賞与原資を求めるケースが多いのではないかと思います。

このようなケースでは当然、業績の変動幅が大きくなることが予想されるため、賞与原資の求め方についても、例えば、次の1.2.のような工夫が必要になってきます。

1.賞与原資を固定部分+変動部分(業績連動分)に分ける

例えば、
固定部分は会社業績にかかわりなく、1年間に給与の2ヶ月分を支給し、変動部分は営業利益の10%とします。
固定部分の給与2ヶ月分については生活保障のための最低原資となります。

営業利益の10%の部分は、利益額が大きくなるにつれ、その%については段階的に低減させていきます。

2.営業利益の○○%だけではなく、営業利益の幅により上限と下限を設ける

例えば、
営業利益が5億以上の場合は、賞与原資1億円を上限とします。
営業利益が5億未満の場合は、賞与原資は営業利益の20%とします。
営業利益が2億未満の場合は、賞与原資が4千万円と決めておきます。

営業利益が1億未満や赤字の場合は、労使で生活保障分などについて別途、協議を行います。

上記1.2.などの例によって、会社業績の大きな変動に対して支給額に対する安定性(納得性)を高めることができます。

ちなみに、業績責任のある幹部社員については、原資の計算方法を一般従業員とは最初から分けておくことも必要でしょう(固定部分を一般従業員より小さくして、より業績との連動を図る)。

その結果として、業績の良い時は幹部社員の賞与の取り分を一般社員よりも多くし、業績の悪い時は幹部社員の賞与の取り分を一般社員よりも少なくすることで、幹部社員の業績向上意欲をより高めるようにするのです。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 18:38 | - | - | -
1次は絶対考課、2次は相対考課で。

人事考課のプロセスといえば、その多くは、

本人評価(自己申告)→1次考課→2次考課→調整会議→最終決定といった流れになりますが、

このうち、1次考課までは絶対考課で行い、2次考課以降は相対考課で行うのが原則です。

本人評価(自己申告)に対しては、その結果に1次考課者が影響を受けないよう(本人評価が高ければ、1次考課も高くなってしまうことなど)、1次考課者の考課者研修が必須となります。

また、本人評価(自己申告)から1次考課までを行う際のツールとしては、

人事考課が成績考課、意欲考課、能力考課の3つで構成される場合、

一例としては、成績考課と意欲考課については「目標面接シート」と「人事考課表」の2つを用い、能力考課は「職務等級基準書」を用いますが、

この場合、本人評価から1次考課までは、あくまでも本人と直属上司との関係だけなので、

目標面接シートと職務等級基準書を用いて、担当職務などについて具体的な方向付けまでを行い、

さらに人事考課表の結果を含めたフィードバック面談を必ず行うことで、部下の育成や指導につなげていくことが主な目的となります。

よって1次考課までは、あくまで予め決められた個々の職務基準に基づく絶対考課で行います。

ただ、目標面接シートで設定された個々の職務基準(考課基準)は、本人と直属上司との間では納得のいくものであったとしても、その他の人々の職務基準(考課基準)のレベルとは当然、バラツキが出てくるため、

2次考課以降では、このバラツキを調整する仕組みがどうしても必要となってきます。

そのような意味においては、2次考課以降の役割は、例えば、1次考課(絶対考課)の結果が所属部署だけでなく、部門内の全体を見渡した上での甘いか辛いかなどを相対的にみること(相対考課)だといえるでしょう。

2次考課者は日頃、本人の仕事ぶりの詳細まではみておらず、2次考課者が絶対考課の目で1次考課の修正をしてしまうと、人事考課でしてはならない人物評価をしてしまう可能性があるため、

 

2次考課者が絶対考課を行うことは基本的には不向きといえるのです。

また、能力考課についてですが、個々の能力の習熟に対しての調整が必要ないため、

あくまでも職務等級基準書に照らし合わせて絶対考課のみを行い、その結果は主に昇格審査とフィードバック面談などに活用することになります。

ちなみに、1次考課者にとって悩ましいのは、1次考課(絶対考課)と2次考課以降(相対考課)の結果に違いが出た場合の本人へのフィードバックの仕方です。

この場合、フィードバック面談自体は部下の指導・育成が主な目的となるので、1次考課者はあくまでも絶対考課の内容にてフィードバックを行いますが、

あわせて、人事考課のしくみ(最終決定は、相対考課との組み合わせで決定されることなど)をしっかりと説明しておくことで、

1次考課と2次考課以降の結果に違いが出ても、もちろん100%は無理というものですが、充分に納得性は得られるのではないかと思います。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 20:50 | - | - | -
「短時間正社員」の処遇の決定方法。

短時間正社員とは、パートタイマーと違い、短時間勤務ではあるが固定給で期間の定めのない雇用契約で働く人々をいいます。

中小企業などではまだあまり馴染みはなく、もともと正社員であった人が育児休業後や病気休職後、さらに家族の介護などの理由で一時的に短時間勤務をするケースが多いようです。

これら短時間正社員の給与処遇の決め方について、それぞれポイントを挙げてみましょう。

1.基本給
あくまでも時間比例で決めておきます。
今までフルの8時間勤務で20万円の人ならば、6時間勤務になれば、その期間については15万円となります。

なお、中途で新たに短時間正社員を雇用する場合や、パートタイマーを短時間のままで短時間正社員にする場合などは、まずはフル勤務で雇用した場合での基本給額を仮算出してから、その金額を時間比例で計算し直すこととなります。

2.諸手当
仕事に関連する職務関連手当(技能手当、特殊勤務手当など)は、あくまでもフル勤務の場合で金額を設定しているので、短時間勤務の場合はその期間について時間比例で決めておきます。
但し、生活給である生活関連手当(家族手当、住宅手当など)は時間比例に馴染まず、減額しないのが原則です。

3.賞与
個々の支給枠は、あくまでもフル勤務の場合で設定(例えば、平均2ヵ月分など)しているので、短時間勤務の場合は時間比例で予め支給枠(例えば、平均1.5か月分など)を決めておきます。

人事評価については、短時間勤務だからフル勤務と比べて貢献度が低いという考え方ではなく、あくまでも、その短時間勤務者に予め期待するバー(仕事の量など)に応じて評価を行います。

4.退職金
基本給と勤続年数によって決まる計算式の場合は、勤続年数は次のように時間比例で計算します。
(例)
フル勤務(8時間)の期間が10年、短時間勤務(6時間)の期間が4年間の場合。
⇒勤続年数=10年+(4年×0.75)=13年となる。

退職金制度がポイント制の場合は、勤続ポイント(年功部分)は時間比例に馴染まないので減算しませんが、職能ポイントはフル勤務の場合のポイント表示なので、時間比例でポイントを換算します。
(例)
フル勤務(8時間勤務)の場合の3級職・職能ポイント⇒20P(1年あたり)
短時間勤務(6時間勤務)の場合の3級職・職能ポイント⇒15P(1年あたり)

5.人事評価
評価の内容は、フル勤務者も短時間勤務者も同様の項目が使用できます。

但し、成績考課についてはフル勤務者と短時間勤務者では期待するバー(仕事の量など)が予め異なるため、あくまでもそのバーに照らし合わせて評価を行います。
ただ時間が短いというだけで、フル勤務者はA(良い)、短時間勤務者はB(普通)ということにはなりません。

6.昇格要件
上位等級への昇格要件の中に、現等級での必要在籍年数を入れているケースが多いと思われますが、これも時間比例で考えます。
(例)
原則(8時間勤務)であれば、3級職から4級職への昇格は「3年」の在籍年数が必要だが、
短時間勤務者(6時間勤務)の場合は、3年ではなく「4年」の在籍年数が必要となる。

このように、働く時間が異なる人々の処遇の決め方について予め明確にしておくことで、会社は従業員に対して永く安心して働ける環境を提供することが可能となるのです。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 16:02 | - | - | -
中途採用者の初任賃金額の決定方法。

中途採用者の個別賃金の公正さを実現するためには、定期採用者のモデル賃金額に対して、中途採用者の賃金額の正当な位置づけをどう考えるのか?が一つの課題となります。

中途採用者の初任賃金については、中途採用者の業歴(学卒後の職務経歴)を考慮して決めるやり方がありますが、

これは、学歴別の初任給額に中途採用者の業歴を評価した額を積み重ねる方法で、この積み上げた額は在職者の過去の昇給額に見合う部分に相当するものです。

一つ、簡単な例を挙げてみましょう。

中途採用者の修正経験年数・換算表(例)」
・特に会社が要請した者・・・・・・・・100%(+アルファ)
・業歴が同業・同種に従事していた者・・・95%
・業歴が異業・同種に従事していた者・・・90%
・業歴が同業・異種に従事していた者・・・80%
・パート、アルバイトの期間など・・・・・60%

例えば、中途採用時に「満32歳」の者で、高卒後、4年間を同業・異種でアルバイトをし、その後、引き続き、同業・異種に正社員として雇用された高卒者の修正経験年数は、次のa.の計算となります。

a.中途採用者の修正経験年数
高卒後の4年間は、4年×60%=2.4年
22歳から32歳までは、10年×80%=8年
合計10.4年(四捨五入で10年)

b.自社の定期採用者のモデル経験年数
32歳−18歳=14年

よって、自社の賃金テーブル上では、定期採用者のモデル者であれば、b.のように高卒後14年目のモデル金額に格付けされているはずですが、

この中途採用者については、a.の計算から高卒後10年目のモデル金額に格付けされることになります。

もし、会社に元々、賃金テーブルがないという場合には、次のようなやり方も可能です。

c.高卒初任給額
16万円

d.32歳の社内の標準的な社員(定期採用者)の給与額
30万円

この場合、標準的な社員(定期採用者)は高卒後14年間で14万円の昇給があったことになるので、

これに対し、中途採用者の修正経験年数が10年ということであれば、在職者の標準昇給額14万円に対し、中途採用者の業歴に与えられる昇給額は、

10万円(14万円×10年÷14年)で、よって、その中途採用者の初任賃金額は、16万円+10万円=26万円となります。

ちなみに、上記のように中途採用者の初任賃金額をモデル者と比べ当初、低めに設定をした場合には、

その後、数年間(2年〜5年)かけて、その中途採用者の能力の習熟度に応じて、定期採用者のモデル賃金並みに引き上げをしていく必要があります。

その場合の運用方法ですが、例えば、この追いつかせの期間(2年〜5年)については、通常の昇給額に一定のプラスの昇給(昇給加算)を行ったり、

さらに、等級ごとの必要在籍年数にこだわらずに、早めに昇格のチャンスを与えたりすることも必要となってきます。

 

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Posted by : hrmc-column | - | 18:04 | - | - | -
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